水のコラム
使用されている水道管は主に8種類!それぞれの特徴を紹介
普段何気なく使用している水道管ですが、実はいろいろな種類があることを知っていましたか?なんと、その数は8種類もあるのです。
「そんなに多くの水道管の種類があるとは知らなかった」という方も多いでしょう。
8つの種類がある水道管ですが、それぞれ特徴が違い、その中でも頻繁に使用されているものとそうでないものがあります。
水道管の交換や修理が必要になったときに、自宅でどのタイプの水道管を設置しているのかが重要なポイントとなってきます。
そこで今回は、使用されている水道管のタイプと特徴について、それぞれ説明していきます。
現在の主流である水道管「ポリ管」
8つの種類がある水道管の中で、最もポピュラーなのが「ポリ管」です。
プラスチック樹脂が使用されているため、サビにくい性質を持っています。また加工もしやすく、施工に関してもあまり手間がかからないので、修理費用が比較的安く済ませられるというのも、メリットの1つです。
ただし、急激な温度変化に弱い一面を持っています。寒い冬の日は水道管が凍結して、水が出なくなることもあります。また暑い夏の日は、水道管が熱の影響で劣化してしまう可能性もあります。
しかし現在新しく使われているポリ管は、取り付けや取り外しが非常に簡単なうえに、熱や振動、化学物質などにも比較的強い性質を持っています。デメリットを克服した水道管も多く誕生しているので、リフォームする際にチェックしてみることがおすすめです。
優れた機能性を誇る3種類の塩ビ管
さまざまな種類の水道管の中でも、とくに優れた機能性を誇っているのが「VP管」「HIVP管」「HTVP管」の3種類です。
■VP管
VP管は、おもに圧力用の上水道埋設用、建築給水用に取り入れられていることが多いです。
そのほかにも、集合住宅の排水や通気配管などに使用されています。
VP管は丈夫でたわみにくい性質を持っています。外側は丈夫ですが、内側はなめらかで摩擦抵抗が少ない構造なので、粘着性の高い液体が付着しにくいです。この構造によって、スムーズに排水できるようになっています。
ただし、表面温度が直射日光で上昇すると温度差が生じて、反りが発生する場合があります
■HIVP管
HIVP管は水道管の中でも、比較的ポピュラーな種類の1つです。
水道管といえば、金属製をイメージするかもしれません。しかし、HIVP管ではプラスチック樹脂がメイン材料となります。そのため、金属製の水道管に起こりがちだったサビつきのトラブルがないのが、大きなメリットです。
しかも加工しやすく施工も楽なので、工事費用も安く抑えられるのです。また、修理料金も安く済ませられる可能性があります。
ただし、プラスチック樹脂は急激な温度変化に弱い性質を持っているため、暑い夏の日や寒い冬の日は急激な温度変化によって、トラブルを招く可能性があるのも事実です。
とくに注意が必要なのが、寒い冬の日です。水道管が凍結すると穴が開く可能性がありますし、最悪の場合は破裂することも考えられます。
機能性は高いですが、急激な温度変化に弱いのがデメリットだといえるでしょう。
■HTVP管
HTVP管は、耐熱性能に優れている水道管です。
給湯配管や冷暖房管、温泉配管などで使用されていることが多いです。HTVP管は熱伝導率が小さい傾向にあり、保温性に優れています。金属製ではないのでサビや腐食する心配はありませんし、さまざまなトラブルを引き起こすこともありません。
たとえば、サビや腐食の影響による水質悪化や漏電事故などです。水道管のサビ付きを防いでくれるので、安心して水を利用できるのが大きなメリットだといえるでしょう。
漏電事故の危険性が少ないことから、火災のリスクも大きく減らせます。
ただし、さまざまな機能性が揃っているため、配管コストがかかるのがデメリットです。
現在はあまり使用されていない2種類の水道管
水道管の種類の中でも、現在ではあまり使用されていないものもあります。
それは、鉄管と鉛管です。昔は定番の形だったものの、現在ではあまり見られることが少なくなってきました。
■鉄管(鋼管)
鉄管は、丈夫で耐震性があるのが大きな特徴です。
少し前までは定番の種類として利用されていたのですが、今では使われることが少なくなってきました。丈夫で耐震性はあるものの、サビやすい性質を持っており、サビが原因で小さな穴が開くことが多かったのです。
専用テープで応急処置をしたとしても、穴が増えたり、大きくなったりすれば配管そのものを交換しなければいけません。メリットよりもデメリットの方が大きかったため、現在ではあまり使用されなくなっています。
■鉛管
鉛管は、水道そのものが普及し始めた頃から使用されてきた、古いタイプのものです。
こちらも、以前までは定番のタイプとしてよく使用されていたのですが、他の水道管と比べて水漏れしやすい性質を持っています。水漏れしやすい性質だと家の耐久性に問題が生じることから、健康面での影響が問題視されたため、現在では鉛管の取り替え作業が行われています。
交換費用は自己負担にはなるのですが、それぞれの自治体によっては補助金を受け取れる可能性があります。もし、まだ鉛管を利用しているのであれば交換する前に、自分の所属している自治体に補助金制度があるかどうかを確認してみましょう。
その他2種類の水道管
その他2種類の水道管には「銅管」と「エルメックス管」があります。
■銅管
銅管は、熱に強い性質を持っているのが特徴です。
水道管として利用されていることもありますが、主に給湯管として使用されていることが多いです。
ただ、接続する際はハンダ付けが必要になるので、施工に手間がかかるのがデメリットです。工事に手間がかかれば、その分の費用が上乗せされる場合もあります。
■エルメックス管
エルメックス管は水道管の種類の中でも、比較的新しいタイプです。
そのため、水道管として導入されている実例はまだ少ないです。エルメックス管は幅広い温度領域の中で使用できるため、熱にも強く、寒さにも強いのが特徴です。
万が一、凍結したとしても割れにくい性質を持っているので、水道管が破裂したり、水が出にくくなったりなどのトラブルを避けることができます。
さらに、塩素水に対する耐久性も強いのが特徴です。パイプも酸化しにくいため、安心して水を利用できるのは、とても大きなポイントだといえるでしょう。
メリットはもう一つあります。それは、水漏れしにくいことです。エルメックス管には、パイプと継ぐ手を接続する際に特別な工法が用いられるため、水漏れしにくくなります。
メリットがたくさんあるので、これからどんどん普及していく可能性が高いです。
まとめ
今回は水道管のさまざまな種類について、紹介しました。
水道管にはポリ管、VP管、HIVP管、HTVP管、鉄管、鉛管、銅管、エルメックス管の8つの種類があることがわかりましたね。
水道管の種類によってそれぞれ特徴も違い、デメリットも異なります。また、時代によって使用されることが少なくなってきた水道管の種類もあります。
最近では機能性が優れていてデメリットが少ない、ポリ管やVP管が使用されることが多くなっています。
しかし、現代ではエルメックス管も新たに注目されはじめています。
エルメックス管は、機能性の高さやそのほかのメリットがたくさんあるので、水道管を取り替える際には、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
水道管が劣化するとさまざまなトラブルが発生するので、耐久性が高く、機能性が優れている水道管を選ぶことで、いろいろなリスクを軽減してくれるはずです。