水のコラム
キッチンの水栓の交換タイミングは?費用の相場も解説!
「最近、蛇口ハンドルが固いような……」「蛇口を使うたびにイヤな音がする……」ということはありませんか?
もしそうなら、水栓を交換した方がよいかも知れません。この記事では、水栓トラブルの原因や対策、交換の手順、費用相場を解説します。
キッチンの水栓の種類と特徴
キッチンの水栓は、5種類あります。
■単水栓
単水栓はハンドルと蛇口が対になっている、最もシンプルな水栓です。
1つの蛇口につき、水かお湯のいずれかが出ます。キッチン以外では、洗濯機置き場や外水道に取り付けて使用され、単水栓のハンドルには色が付いており、水は青、お湯は赤に分けられています。
単水栓本体の価格は1,200円~と、比較的入手しやすいのがポイントです。ただし、デザインやインテリア性に優れているものは高額の傾向にあります。
■ツーハンドル混合水栓
ツーハンドル混合水栓は、1つの蛇口に水とお湯を出すハンドルが左右に設置されているタイプです。それぞれのハンドルに、水(青)とお湯(赤)の目印が付いており、バスルームにも使用されています。
費用はメーカーごとに開きがありますが、シンプルなものなら6,000円ほどから購入可能です。ただし、アンティーク調など凝った作りのものは、1万円からと割高です。
■シングルレバー混合水栓
シングルレバー混合水栓は1つのレバーを左右に振り分けて、水とお湯を切り替えるタイプの水栓です。
水量の調節も簡単で、キッチンや洗面所で多く使われています。小さなお子様や年配の方でも簡単に使え、調理中もワンタッチで水を流せるため便利な水栓です。
およそ6,000円から購入できます。ハンドル部分を引き出して、シャワー式として使えるタイプは1万円~くらいを見積もっておきましょう。
■サーモスタット混合水栓
サーモスタット混合水栓は水圧や水量が変化しても水温は変わりにくいため、一定の温度を保てる水栓です。
キッチン以外にもバスルームで使われており、横長の円柱形ハンドル部と蛇口が1つ付いています。円柱形の左右には1つずつ回転式のハンドルが付いていて、それぞれ水温と水量を調節可能です。
サーモスタットは水栓の仕組みが複雑なため、本体費用は1万4,000円からと高い部類に入ります。また、機能やデザインも豊富であることから、価格帯に開きがあるのも特徴です。
■タッチレス水栓
タッチレス水栓は、センサー式で水を出したり止めたりします。直接触れる必要がないため、濡れていても泡が付いていても気にせず使えます。
そして水垢が付きにくく見た目にも清潔です。設置には電源が必要ですが、難しいようなら乾電池式もあります。費用は3万5,000円からです。
キッチンの水栓を交換する目安
キッチンの水栓は、そもそも長期間の使用を想定しています。
およそ10~15年は使用できますが、状況によってはそれよりも早く交換することになるでしょう。ここでは、交換を促すサインを紹介します。
■甲高い音がする
ハンドルやレバーを動かすたびに「キィー」という甲高い音がする場合、コマパッキンの経年劣化が疑われます。放っておくと水漏れにつながるため、早めに交換しておく必要があります。
■ハンドルが固く操作しづらい
水道水のミネラル成分が付着して固まったり、見えないところで錆が発生していたりすることもあります。
また、水栓ハンドルには潤滑油が用いられていますが、この潤滑油が切れると内部部品の摩擦が発生して同様の状態が起こります。
■吐水口や蛇口からの水漏れ
長期間に渡って使い続けていると、蛇口の接続部分や吐水口は経年劣化によって緩んできます。
シングルレバー混合水栓の吐水口、レバーハンドルの下から水漏れが起こっていたら、カートリッジの劣化が考えられます。
■蛇口がぐらぐらする
水栓本体や取り付け台座のビスが緩む、もしくは外れると蛇口はぐらつきます。
根元から水がしみこんで台座が劣化したケースでは、根元からの水漏れや、蛇口が折れてしまうことも。シンク天板と水栓金具の接着に隙間ができると、シンク下にまで水漏れして傷めてしまうでしょう。
このような場合は、早いうちに修理・交換を行うことが大切です。
キッチンの水栓を交換する手順
水栓交換は業者に依頼するのが最も確実で安全です。もし、自分で交換するというときのために、手順を解説します。
■現状確認
蛇口がぐらついている場合、ビスの緩めやシンク天板と水栓金具の接着面などを見てみましょう。
水漏れを起こしている場合は、どこから水漏れしているのかを確認してください。
■止水栓を閉める
シンク下の止水栓を閉めましょう。閉めずに作業を行うと、水が噴き出してくる恐れがあります。水道メーター近くの元栓を閉められるなら、閉めた方がより安全です。
■水栓を分解する
水栓は分解後、元通りに組み立てるため、作業手順をメモしておいたり、動画に撮っておいたりなどの記録をおすすめします。グリス切れや部品の劣化・破損が原因なら、水栓を分解して内部を点検します。
レバー前面かハンドル上部のカラーキャップを外し、ネジを緩めてハンドルを取り外します。ツーハンドル混合水栓ならナットを外し、バルブを引き抜いてください。シングルレバー混合水栓は内部にカートリッジがあるので、押さえを外して引き抜きます。水が出てくる部品(スパウト)を外したら完了です。
■部品を清掃・交換
本体部分の水垢や汚れを掃除します。結合部分のゴミや、錆があるときも同様です。レバーハンドルが固い場合は、水道修理用のグリスを塗っておきます。汚れをきれいにしたら、カートリッジやパッキンなどの部品を交換してください。
■組み立てる
分解した水栓を元通りに組み立てます。
■水の流れを確認する
止水栓・元栓を開き、水栓を複数回開け閉めしてみます。1分間以上水を流し続けたり、水量を変化させたりして、様子を確かめましょう。水漏れしていないかについても、しっかりチェックしてください。問題なければ水栓交換作業は完了です。
キッチンの水栓の交換における費用相場
キッチンでよく使用されているシングルレバー混合栓の場合は、メーカーによって金額が変動しますが、平均値としては6,000円程度です。
ハンドル部分でシャワーと切り替えができるタイプや、蛇口が引き出せるタイプの場合は10,000円程度と考えておくとよいでしょう。
この他に、出張料や工事保証費用、廃棄処分費などがかかってきます。夜間や早朝は追加料金がかかるため、緊急性のない場合には日中、営業時間内に依頼することをおすすめします。
オプション工事が必要なケースもある
キッチンの設備や交換する水栓など、場合によってはオプション工事が必要になるケースも見受けられます。
■穴開け工事
水栓の他に浄水器など取り付ける場合、シンクもしくはシンク付近のキャビネットに、新たに取り付け穴を開けます。
また「ツーホールタイプのシングルレバー混合水栓をワンホールタイプにしたい」というときも同様です。この工事は、ステンレスを傷から保護するための養生や、元の穴を化粧キャップで塞ぐ作業なども、費用に加算されます。
■点検口の造作
シンク下の収納背板に空いている四角い穴を点検口といいます。
点検口内には給水管などの配管が収納されていて、普段は化粧板などをビスで留めてあります。水栓交換や電源の移設・増設時には点検口を開けて作業しますが、住宅によっては点検口がないところも。このようなケースで、点検口の造作作業を行います。
■電源の移設・増設
電源式のタッチレス水栓を設置するとき、シンク下に電源を作る作業を行うケースがあります。
キャビネットなどのシンク下近くにコンセントがあれば、配線を利用してシンク下の壁にコンセントを増設します。最寄りのコンセントが離れていたら、配線分岐とシンク下までの配線、コンセントの増設を行います。作業費の他、配線を隠す化粧カバー費もかかります。
まとめ
水栓交換にともなって「便利でおしゃれな水栓に変更したい」と思うこともあるでしょう。水栓はどんどん新しいタイプが販売されており、選択肢は豊富にあります。
しかし、設置にはオプション工事が必要になるかも知れません。求める機能と予算を含めて、総合的に判断するようにしましょう。