水のコラム
シンク油を流すのはNG?油による排水口トラブルと掃除方法
料理で油を使用することはとても多く、コロッケや天ぷらなどの場合、大量の油を使用します。
しかし、使用後の油をきちんと処理せずに排水口に直接流すことはNGです。
今回は、油を排水口に直接流すことがNGな理由やどんなトラブルが起こるのかを紹介していきます。
排水口のトラブルを予防するために参考にしてみてください。
なお、「排水口」は「排水溝」と勘違いされがちですが、キッチンや洗面所など屋内にある排水路につながっているのは排水口と言い、排水溝とは別物です。
キッチンに油をそのまま流すとどうなる?
台所の流しに直接油を流すと、さまざまなトラブルの原因となります。
しかし、実際に油を直接流してしまう人は、多くいることが分かっています。
このことが原因で、困るのは個人だけに収まりません。他人はもちろん、他の生き物や地球にも大きな影響を及ぼすのです。
では、直接油を排水口に流すことでどのようなトラブルが起こるのか、それぞれ見ていきましょう。
■トラブルその1【排水管が詰まる】
一番起こりやすいトラブルが、排水管の詰まりです。
コロッケやてんぷらを揚げた際に使用する大量の油だけでなく、フライパンや鍋、料理を盛りつけた食器に付着している油でさえも排水管の詰まりの原因になります。
排水管に流れた油は、排水管内に付着します。そして冷えることで固まり、さらに食べかすや洗剤かすなどが付着し大きくなっていくのです。
始めは流れが悪くなる程度ですが、完全に排水管を塞いでしまうと、水は逆流します。キッチンだけでなく、家中が水浸しになってしまう可能性があるので注意が必要でしょう。
■トラブルその2【川の水質や生き物に影響を及ぼす】
環境省の発表によれば、使用済みの天ぷら油を20㎖流すと、魚が住めるくらいの水質に戻すのにバスタブ20杯分の綺麗な水が必要と言われています。
油が冷めてから紙に吸わせて捨てる、市販の凝固剤で固めて捨てるなどちょっとした工夫をする人が増えることで、こうした地球環境への悪影響を少なくすることができます。
キッチンの排水口の油汚れ解消方法
油を直接流すようなことをしなくても、普段から流しを利用しているとどうしても油汚れは溜まっていき、排水口に蓄積してしまいます。排水の流れが悪くなったと感じたときには、以下の方法で解消しましょう。
■パイプクリーナーの使用
パイプクリーナーを使用した解消方法は最もポピュラーであり、効果的な掃除方法です。
スーパーやホームセンター、最近ではコンビニエンスストアでも購入ができ、金額も高くて1000円程度と手に入れやいのでおすすめです。
パイプクリーナーには、固形・粉末タイプと液体タイプの2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
液体タイプは、洗剤が液状になっているものです。液体には多少のとろみがあり、排水口から流し入れると排水管の内側の壁に付着します。
汚れや悪臭の原因に対する作用は、固形・粉末タイプと基本的に変わりません。違いは、水に溶かす必要がなく水の溜まっていない場所でも十分に効果を期待できることです。液体タイプのパイプクリーナーを選ぶ際に気を付けることとして「水酸化ナトリウムの濃度」をチェックする点です。
1%以上の濃度のものであれば、油を浮かしたつまりの予防になるので、水酸化ナトリウムが1%以上の濃度にしましょう。使用する際は、飛び跳ねによる肌の付着に気を付けましょう。
固形・粉末タイプは、水に溶けて洗浄液になるという特徴をもっています。
カビ退治に使われる塩素系漂白剤に近い成分が含まれ、排水管内部で化学反応を起こすと汚れや悪臭の原因を分解します。悪臭の逆流や虫の侵入を防ぐ、排水トラップには常に水が溜まっているため、洗剤を投入すると排水トラップ周辺を中心に排水管内部の掃除が可能です。
主なメリットとしては、液体と異なり手に付着する心配がなく扱いやすい点が挙げられます。ただし基本的には水に溶かす必要があるため、水の溜まっていない部分では本来の効果を見込めません。
■重曹とクエン酸を使用する
次に紹介するのが家庭の様々な排水管掃除におすすめできる、重曹とクエン酸を使用した掃除方法です。
重曹はアルカリ性でクエン酸は酸性のため、合わせることで中和反応が起こり、泡が発生します。この泡が排水口の油汚れや臭いの原因を除去する役目を持っています。
特徴としては、人体に危険が少ないことです。中和反応による泡の発生はあるものの危険はなく、安心して使用できます。
しかし、塩素系の洗剤を流し込んでしまうと有毒ガスが発生するので、掃除後はお湯でしっかりと洗い流してから洗剤を使用しましょう。
■ワイヤーブラシやペットボトルを使用する
排水口が詰まってしまった時の対処方として、ワイヤーブラシやペットボトルを使用する方法を紹介します。
ワイヤーブラシは、ブラシ(毛)の部分がアルミやステンレスなどの金属でできていて、固まってしまった油を削り取ることで詰まりを解消します。
金属で削り取るため、確実に油を取り除くことが可能です。
しかし、ワイヤーブラシによって届く範囲に限界があることと、場合によっては排水管を傷つけてしまう可能性に注意してください。
ペットボトルは、排水口にペットボトルを被せて空気を送ることで詰まりを解消する方法です。遠い距離まで対応でき、勢いで詰まりを取り除くことができますが、頑固な油汚れには効果が薄いという欠点があります。
ペットボトルの代わりに、トイレで良く使用されるラバーカップを使用することでも解消は可能です。
なお、ラバーカップには種類があるため、キッチンで使用する際は、キッチンの排水口に適したラバーカップを準備してください。
■プロの力を借りる
最も確実で、最も効果的な対処法は、プロの水道修理業者に依頼することです。
プロの水道修理業者で使用する道具は、家庭で使用する道具よりも詰まりを取り除く効果が高いため、確実に詰まりが解消ができるでしょう。
自分で解消が難しい場合は無理をせずに、プロの水道修理業者にキッチンの排水口のつまり解消を依頼するのがおすすめです。
しが水道職人では、キッチンの排水口つまりなど、水まわりのトラブル全般を承っております!
キッチンの排水口の油汚れを防ぐためには?
油汚れによる詰まりの解消方法を紹介しましたが、油が詰まること自体を予防することが大切です。
排水口の油汚れや詰まりを防ぐ方法を見ていきましょう。
■油を流さない
当たり前のことですが、油を排水口に直接流すことは避けましょう。油は時間の経過でどんどんと固まってしまいます。
直接流してしまうと排水口に油が溜まってしまうため、詰まってしまいます。油を直接流さないように、新聞紙や市販の油吸い取りアイテム、凝固剤を使用して油を処理しましょう。
■食材かすを捨てない
油と同様に食材かすも流してはいけません。
大きいものはもちろん、細かいものでも排水口の詰まりの原因になります。また、食材が排水管内に残っていると悪臭の発生にもつながります。
三角コーナーや排水ネットを使用して、食材かすは流さないようにしましょう。
■こまめに掃除をする
毎日のように流しを使用していると、汚れは蓄積していきます。日頃の小まめな掃除が排水口の詰まり予防になります。
油汚れも定期的に掃除することで、カチカチに固まってしまう前に取り除けるでしょう。
まとめ
排水口に直接油を流すことの危険性や油汚れの解消方法を紹介しました。
先にも紹介した通り、油を排水口に直接捨てることは、自分だけでなく、他人や他生物、環境にも影響を及ぼします。一人ひとりが気を付けることで環境を守ることにつながります。
もしも今まで油を直接捨てているのであれば、考え直してみてはいかがでしょう。