水のコラム
キッチンの高さはどれ位がオススメ?選ぶ際のポイントについて解説!
男女問わず、料理をよくする方ならキッチンの高さが気になることも多いのではないでしょうか。
毎日使うキッチンですから、身長に適合した高さでないと使いづらく、食材を切っているときや洗い物のときに腰が痛くなるケースもあります。
そこで、適切なキッチンの高さやキッチン選びのポイントなどについて、詳しく見ていきましょう。
キッチンの高さが合わないとどうなる?
キッチンの天板の高さは、作業する上で重要なポイントです。ご自身の身長に合っていないと、体に負担がかかってしまいます。
ここでは、キッチンの高さが合わない場合に、どのような不具合が生じてしまうのか解説します。
■キッチンの天板が低いと腰痛が起こりやすくなる
キッチンの天板が低いと、腰から背中にかけて曲がった状態、猫背の状態での作業が続きます。
とくに包丁で食材を切ったり洗い物をしたりするときには、腰への負担が大きくなり、長期間続けていると慢性的な痛みとなってしまいます。
■キッチンの天板が低いと水が跳ねる
キッチンの天板が低いと、食器洗いなどのときに跳ねた水で体が濡れる可能性が高くなります。
酷い場合は、野菜や食器を洗うたびにエプロンだけでなく服まで濡れるケースがあり、その度に不快な思いをする羽目になるかも知れません。
■キッチンの天板が高いと肩や首を痛めやすい
キッチンの天板が高すぎる場合には、常に腕を上げた状態で作業するので、肩や首に負担がかかります。
肩こりや首こりの原因となり、腰にも負担がかかるので、低い場合よりも辛く感じるかもしれません。
■キッチンの天板が高いと調理がしづらい
キッチンの天板が高いと、固い・大きな食材を切る際にもうまく力が伝わらず苦労するでしょう。本来、腕の力だけでなく体重を乗せて切れば簡単に切れるものでも時間がかかってしまいます。
また、シンクや調理台、コンロの掃除の際にもうまく力が伝わらないため、汚れが落としにくくなってしまいます。
キッチンの高さ選びのコツ
キッチンメーカーでは、キッチンの高さは「自身の身長÷2+5cm」としています。身長が160cmの方であれば、計算式は「160cm÷2+5cm」となり高さは、85cmとなります。身長が150cmの方なら「150cm÷2+5cm」で、高さは80cmとなります。
身長が10cm違うと、キッチンの高さも5cm違ってくることがわかります。しかし、この計算で出される高さはあくまでも目安です。実際には、肘を曲げた状態から10cmほど低い天板が、使いやすいキッチンの高さといわれています。
■ショールームで高さを確認しよう
実際に使いやすいキッチンの高さには、個人差があります。先の計算で算出される高さはあくまでも目安であり、使う方の好みも考慮する必要があるのです。キッチンの機能は別にして、高さを確認することはショールームに行けば簡単に行えます。
実際のキッチンの高さを確認して、自分に合った高さのキッチンを選ぶようにしましょう。
■メーカーによって高さの調整が異なる
キッチンの高さの調整は、キッチンメーカーによって異なっています。
日本工業規格(JIS)では、5cm間隔で調整ができないとダメなので、「80cm・85cm・90cm」となってきます。しかし、最近ではキッチンメーカーによってはもっと細かい単位で、キッチンの高さの調整が可能となっています。
たとえば「Housetec(ハウステック)」では1cm単位「panasonic(パナソニック)」では1mm、5cm単位での高さ調節が可能となっています。
ただし、すべてのシリーズでなく、調整できるシリーズは限られているので購入の前に確認が必要です。細かい高さの調整ができれば、調理が快適になります。購入前に各メーカーに相談するとよいでしょう。
■複数の方が利用するケースでは、身長の高い方に合わせる
夫婦どちらもがメインで食事作りを担当する、二世帯住宅で親子が同じキッチンを利用する場合などでは、身長の違う人がキッチンを使うことになります。この場合は、身長の高い方に合わせてキッチンの高さを設定しましょう。
キッチンの天板が高い方が、不具合は多く発生します。しかしなぜ身長の高い方に合わせるのかというと、踏み台を利用すれば高さは変更できるからです。低い方に合わせてしまうと、身長を低くすることはできないので天板の低さの解決法はありません。
そのため、キッチンの高さは低いより高い方がよいということになるのです。「ちょうどいい高さの踏み台が見つからない」「いちいち踏み台を使うのはめんどくさい」といった場合には、キッチン用のスリッパを底の厚いものにしましょう。
キッチンの高さを変更する際に注意するべきポイント
ここでは、新規のキッチンを選ぶのでなく、既存のキッチンの高さを変更する際の、注意ポイントを解説します。
■キッチンで利用する履物の高さを考えておく
厚手のキッチンマットを敷いて、厚底のスリッパを利用していれば、3cmくらい身長が高くなってしまいます。
実際の身長とギャップが生まれると使いづらさの原因となるため、普段利用する履物の高さを考慮するのは大切なポイントになってきます。このときも、キッチンの天板が低くならないように考えておきましょう。
■コンロとレンジフードの間隔に注意
新規にキッチンを設置する時には、キッチンの高さに合わせてレンジフードの高さも設置可能です。しかし、リフォームなどでキッチンの高さのみを変更する際には、既存のレンジフードとの間隔を確認しておく必要があります。
その理由は、建築基準法にてレンジフードとコンロの距離が定められているからです。キッチンの天板の高さを変更するということは、コンロの高さも変更されることとなります。コンロとレンジフードとの間隔は、IHクッキングヒーターの場合は80cm以下、ガスコンロの場合は100cm以下となっています。
キッチンの高さを上げて、レンジフードとの距離が短くなる分にはよいですが、近すぎて作業しにくくなってしまう場合もあります。変更する際には、業者に相談しておくようにしましょう。
■変更する際の費用の確認
キッチンの天板の高さを変更するには、それなりの費用が発生します。キッチンの天板の高さを変更する際に、高くするにも低くするにも、ガス管や電気配線、水道管の変更、排水管の変更など、付帯設備の変更も同時に必要となります。
既存のキッチンの高さを変更する場合の費用相場は、10万円~20万円程度といわれていますが、付帯設備の変更もあるので業者によって費用も変わってきます。1社だけでなく、2~3社から見積を取って費用の比較をした方がよいでしょう。
また、後から追加の請求のないように、打合せもしっかり行っておくことをおすすめします。
キッチンが身長に合っていないと、使いづらいだけでなく腰や肩、首など体に負担がかかってきます。またキッチンの高さにコンロも設置されるので、使いづらいと火傷などのケガの心配も出てきます。
そのため、キッチンの高さはできるだけ使用する人の身長に合わせることをおすすめします。キッチンを新規で設置する際には、ショールームで実際にキッチンの高さの確認が必須です。
既存のキッチンの高さを変更する際には、現状より何センチ変えるのがベストか、よく検討しないといけません。今後のこともよく考えて、自分にピッタリの高さのキッチンにしておきましょう。