水のコラム

排水トラップとは?仕組みを簡単解説!場所ごとの器具も紹介

2023年02月28日  水回り

家の水道設備には排水口があります。排水口の中には、排水トラップというものが設置されています。その排水トラップには複数バリエーションがあることをご存じでしょうか。

今回は、排水トラップの仕組みを優しく解説していきます。

意外と多くある多種類な排水トラップ

排水トラップとは、排水管あるいは排水口の1箇所に水をためながら塞ぎ、排水管から室内に害虫や異臭が侵入しないようにする仕組や器具を指します。

その下水からの侵入をブロックする水を、封水といいます。排水トラップがあるところは、家内では台所の流し台、風呂場、洗濯機、洗面所、お手洗い、屋外の洗い場などです。

日常目にするあらゆる場所には、多くの排水トラップがあり、わずかな封水が私たちを下水臭や害虫からガードしてくれています。

排水トラップの複数タイプ

排水トラップのタイプには大きく分けて6つあります。

・椀タイプトラップ
・逆さ椀タイプトラップ
・ボトル式トラップ
・ドラム式トラップ
・ピー(P)字型トラップ
・エス(S)字型トラップ

下記、各トラップの仕組みを解説します。

椀タイプトラップ
椀タイプトラップは、排水口に繋がる排水管に円とうを入れ込み、その上部に椀タイプの部品を覆った構造となっています。受け皿と円とうの間のドーナツ型の空間に、封水を貯え

ます。

水を流すと椀の外に流されて、封水と落ち合います。封水は水位が上昇すると、真ん中の円とうにあふれて排水管に流されていく構造です。

椀タイプトラップが頻繁に使用される場所は、台所や風呂場です。

逆さ椀タイプトラップ
逆さ椀タイプトラップは、お椀タイプにたまる封水に排水口側から円とうを挿入したものです。水を注ぐと、排水口側から円とうへと水が流れて封水と落ち合います。封水は水位が上昇して、お椀タイプのフチからあふれて排水管へと流される構造です。

逆さ椀タイプトラップが頻繁に使われているところは、洗濯機の洗濯パンです。

ボトル式トラップ
ボトル式トラップは封水がたまった受け皿に、円とうを挿入したものです。排水口側から水を注ぐと、水は円とうを通過して封水と落ち合います。封水の水位が上昇して、受け皿の上の横側に伸びる排水管へと水が流されていく構造です。

ボトル式トラップが頻繁に使われているところは、洗面所、風呂場、台所です。

ドラム式トラップ
ドラム式トラップは、封水がたまった受け皿の下部に汚い水を入れる管、上のところに汚水を下水の方へ流す管が付くものです。

排水口側から水を注ぐと、水は排水管を通過して封水と落ち合います。封水の水位が上昇して、受け皿の上の横側に伸びる排水管へと水が流されていきます。

ドラム式トラップが頻繁に使われているところは、風呂場です。

ピー(P)字形トラップ
ピー(P)字形トラップは、受け皿か排水管をアルファベットのピー(P)の字に右倒した形状に曲がらせて、その部分に封水をためるものです。

排水口側から水を注ぐと、水は封水と落ち合います。封水の水位が上昇して、受け皿の上の横方向に伸びる排水管へと水が流されていくものです。

ピー(P)字形トラップが頻繁に使われているところは、洗面所、お手洗い、台所、風呂場です。

エス(S)字形トラップ
エス(S)字形トラップは、受け皿か排水管をアルファベットのエス(S)字形に曲がらせ、その部分に封水をためる仕組みです。

排水口サイドから水を注ぐと、その水は封水と落ち合います。封水の水位が上昇し、受け皿の上から下に伸びる排水管へと水が流されていくものです。

エス(S)トラップがよく使われているところは、洗面所、お手洗い、洗濯機、台所、風呂場です。

排水トラップを場所ごとに説明

ここからは、場所ごとの代表的な排水トラップを例にして説明します。

台所のトラップ
台所では、下記4通りの排水トラップが用いられています。

・椀タイプトラップ
・ピー(P)字形トラップ、エス(S)字形トラップ
・ボトル式トラップ

代表例として椀タイプトラップについて説明します。

台所の流しにある椀タイプトラップの排水口は、下記の4パーツからなっています。

・フタ
・ゴミ受け
・椀タイプトラップ
・排水口にある受け皿とその部分に突起した円柱

椀タイプトラップは、台所で最も頻繁に使用される排水トラップですが、清掃する部品がたくさんあり、面積も幅広いので手間がかかります。

流しの下のエリアも巨大なトラップが場所を占め、ものを置く空間があまりないのが弱点です。

風呂場のトラップ
風呂場のトラップは、以下のものが使用されます。

・ユニットバスのトラップ(ドラム式トラップとボトル式トラップの合体)
・椀タイプトラップ
・ピー(P)字形トラップ
・エス(S)字形トラップ

代表例としてユニットバスのトラップの解説をします。

ドラム式トラップとボトル式トラップを融合させたものです。風呂場は風呂と洗い場に分かれていますが、排水トラップは共有のものです。排水トラップは洗い場の床面の排水口に設置されていて、その部分に風呂からの水も排水管を通って流れつき落ち合います。

風呂側から流れてきた水は、排水管を通過して洗い場の床面の排水口にある封水と落ち合います。封水の水位が上昇して、横側の上にある排水管へと流れついていきます。これが、ドラム式トラップの仕組みです。

洗い場側からの水は、封水筒を通じて、封水と落ち合います。封水の水位が上昇して、横側の上から排水管へと流されていく構造です。これが、ボトル式トラップのシステムです。

したがって、ユニットバスの排水トラップは、ボトル式トラップとドラム式トラップが合体したものといえるでしょう。

洗面器のトラップ
洗面器では、3通りの排水トラップが設けられています。

・ボトル式トラップ
・ピー(P)字形トラップ
・エス(S)字形トラップ

代表例として、ボトル式トラップを説明します。

洗面器のボトル式トラップは、排水口のすぐ下にあって、配管部分はL字形状となっています。排水口の下部分に細いボトル形状の封水をためる受け皿があって、その部分に排水口側から通じる円とうが挿入されています。

水を流せば、排水口側から円とうを通過して封水に達します。水位が上昇するとボトル式トラップの上の横側の排水管から壁面に接合される排水管へと流されていきます。床面に妨害となる管がないので、無駄のなく、スペースが広くとれます。

洗濯機のトラップ
洗濯機には、主に2タイプの排水トラップが用いられています。

・床面直結型のトラップ(エス(S)字形トラップ)
・防水用パン使用のトラップ(逆さ椀タイプトラップ )

代表例として、床面直結型のトラップ(エス(S)字形トラップ)を解説します。

洗濯機専用の排水トラップで床面直結型のタイプは、エス(S)字形トラップの仲間です。排水口から下方向に接合される水を入れるための器を2つに区切って、入り口箇所と出口部分の空間を水でブロックする構造です。

トイレのトラップ
トイレの排水トラップは、便器のふたを開けて水がたまる場所にあります。排水トラップのタイプはエス(S)字形トラップかピー(P)字形トラップのいずれかです。水を流すと、封水の水位が上昇し、便器内の水路を通過して排水管へと流れていきます。

排水管が床下にある場合は、エス(S)字形トラップ、横側の下にある場合は、ピー(P)字形トラップです。

排水トラップの交換は専門業者へ依頼

排水トラップの不具合や交換を検討するときは、実績豊富な専門業者へ依頼するのが最適です。業者を選ぶ際、水道局指定業者といわれる「指定給水装置工事事業者」だと信頼できます。

専門業者を選ぶときには、この点にも注目してみてください。

まとめ

今回は、排水トラップの仕組みや場所ごとの器具についても解説してきました。

トラップには種類があり、水道ごとに使い分けられています。自宅の排水トラップもぜひ見直してみてください。

しが水道職人(滋賀水道職人) 0120-492-315

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