水のコラム
トイレタンクの水漏れ原因と直し方!自分でできる対処法と業者に依頼すべきケース
「水がチョロチョロ止まらない」「トイレタンクから水が漏れて床が濡れている」といった症状は、ご家庭で起こりやすい水まわりトラブルのひとつです。
最初は小さな異変でも、放置すると水道料金の増加や床材・壁材の腐食、カビの繁殖といった深刻な二次被害につながります。
さらにトイレは日常生活で欠かせない設備のため、使用できない状況が長引くと生活全体に支障をきたします。
トイレタンクの水漏れは「早めに原因を特定し、適切に対処すること」が何より大切です。
今回は、トイレタンクの仕組みや症状、部品ごとの水漏れ原因、ご自分でできる修理方法、水道修理業者に依頼する判断基準、費用・時間の目安、予防メンテナンスまで幅広くご紹介します。
トイレタンクの仕組みと水漏れしているときの主な症状
トイレタンクは内部の複数の部品が連動し、水洗レバーの操作に合わせて給水・貯水・排水を繰り返す仕組みになっています。
この一連の流れが正常に働くことで洗浄が可能になりますが、いずれかの部品が劣化・破損すると、水漏れや水が止まらないといった不具合が発生してしまうのです。
まずは基本的なトイレタンクの仕組みと、水漏れが疑われる代表的な症状を理解することが大切です。
トイレタンクに水が流れる仕組み
トイレの水洗レバーを回すと、トイレタンク底のフロートバルブが開き、たまっていた水が一気に便器に流れます。
そして、水位が下がると浮き球が沈みボールタップが作動して給水が始まり、一定量まで水がたまると浮き球が元の位置に戻って、ボールタップが閉じて給水が止まります。
この仕組みに不具合が生じると、水が便器に流れ続けたり、トイレタンク外に漏れ出したりというトラブルが起こってしまうのです。
トイレタンクが水漏れしているときの主な症状
水漏れが発生すると、原因ごとにさまざまな症状があらわれます。
症状を正しく把握することで、原因の特定や修理方法の選択に役立つでしょう。
トイレタンクからの水が止まらない
便器内に水が絶えず流れ続けている、または「チョロチョロ」「ポタポタ」と水音がすることがあります。
これはフロートバルブの劣化やボールタップの不具合で、排水口が完全に閉じられず、常に少量の水が流れ続けている状態です。
この症状を放置すると、一晩で数十リットルもの水が無駄になることもあります。
トイレタンクの底や床が濡れている
トイレタンク下部や床が濡れている場合は、密結パッキンや給水管の接続部分に不具合が起こっている可能性があります。
水漏れが少量でも長期間続くと、床材が腐食したり、カビや悪臭が発生したりします。
特に木造住宅では深刻な被害に直結するため注意が必要です。
トイレタンクの外側に結露のような水滴が付着している
夏場や湿度の高い季節に多く見られる現象です。
トイレタンク内の冷たい水と外気の温度差で結露が発生し、表面に水滴が付着します。
結露は故障ではありませんが、放置すると床が濡れて水漏れと勘違いすることがあるでしょう。
断熱材付きトイレタンクや防露材を使用することで予防できます。
ただし、トイレタンクに亀裂が生じている場合、トイレタンクの破損による水漏れの可能性があるため注意が必要です。
結露だと決めつけず、念のため水滴が付着している付近を目視で確認したり、手で触ってみたりして、傷がないか確認しておきましょう。
温水洗浄便座(ウォシュレットなど)の水が止まらない
トイレタンクとは直接関係がなく、便座の給水ホースや接続部品から水が漏れるケースがあります。
この場合は温水洗浄便座の劣化や破損、故障が原因で、トイレタンクの不良とは関係ないことがほとんどです。
【部位別】トイレタンクが水漏れする原因
トイレタンクの水漏れは以下の3つの視点で整理できます。
- 内部部品
- 外部部品
- 取り付け不備
それぞれの特徴を知ることで、原因究明がスムーズになり、適切な修理が行えます。
内部部品
内部部品はトイレタンク内の給水や排水をコントロールする重要な役割を担っています。
常に水に接触しているため劣化が進みやすく、水漏れトラブルの多くは内部部品が原因です。
ボールタップ
浮き球の動きに合わせてトイレタンクへの給水を調整する部品です。
劣化すると給水が止まらず、便器へ水が流れ続ける状態になります。
また「シューッ」という異音やチョロチョロ音が続くのも特徴です。
2024年8月にご訪問した滋賀県大津市の現場では、ボールタップが故障したことによりトイレタンクから水が溢れ、トイレが水浸しになっていました。
関連記事トイレタンク内の水漏れはボールタップが原因かも!トイレの仕組みを知って正しくボールタップを交換しよう
フロートバルブ
トイレタンク底の排水口を塞ぐゴム製の部品で、「ゴムフロート」や「排水弁」とも呼ばれることがあります。
経年劣化による硬化や変形で隙間ができると、便器に水が漏れ続ける原因となってしまうのです。
2024年3月にご訪問した滋賀県近江八幡市の現場では、フロートバルブが経年劣化により動作不良を起こし、トイレタンク内に水をためられず便器に流れ続ける状態になっていました。
オーバーフロー管
トイレタンクの水位が異常に上がったときに、便器に水を逃がす管です。
この部品にひび割れや破損があるとトイレタンク外に水が漏れる場合があります。
また、トイレタンク内の水位が高すぎる場合常に水が便器に流れ続ける状態になってしまうため、オーバーフロー管はトイレの水漏れを防ぐ上で重要な役割を担っています。
2024年3月にご訪問した滋賀県蒲生郡竜王町の現場では、オーバーフロー管が根元から折れてしまっており、排水が止まらない状態になっていました。
オーバーフロー管は繊細な部品のため、トイレタンク内の掃除や他の部品交換の際に手が当たって折れてしまうことがあるため、注意が必要です。
ダイヤフラム
ボールタップ内部にある小さな弁で、給水を制御する役割を持ちます。
劣化すると水が止まらず、トイレタンク内に常に給水され続ける状態になってしまうのです。
整流ジャバラ
手洗い管とトイレタンクのふたの間にある蛇腹状の形をした部品で、手洗い管から流れる水が他の場所に漏れ出ないようにする役割を持っています。
「整流パッキン」と同じ役割を果たす部品で、主に整流パッキンが破損した後に代わりとして取り付けられるものです。
「整流スポンジ」とも呼ばれています。
整流ジャバラが破損すると、トイレタンクの下に水漏れが発生するでしょう。
手洗い菅が付いているトイレで水漏れが発生した場合、整流ジャバラが原因というケースが多くあります。
外部部品
外部部品はトイレタンクの外側で給水や排水を支える部品です。
外部部品に不具合があると、トイレタンクの外側や床への水漏れに直結します。
給水管
トイレタンクに水を送る配管です。
ナットの緩みやパッキンの劣化・摩耗が原因で水漏れします。
また、古い給水管では腐食や亀裂による水漏れが起こるケースもあり、この場合は水漏れ被害が拡大する傾向にあります。
給水管からの水漏れは、原因究明を含め、早急に水道修理業者に相談した方が良いでしょう。
水栓レバー
水洗レバーそのものが破損したりチェーンが外れたりすると、フロートバルブが正常に動かず、水漏れを招きます。
部品の摩耗や長年の使用による変形も原因となります。
密結パッキン
トイレタンクと便器をつなぐゴム製のパッキンです。
劣化すると硬化やひび割れでトイレタンク下部から水が漏れます。
密結パッキンという部品を知らない方も多く、見落とされやすい部位です。
温水洗浄便座(ウォシュレットなど)
温度調整ができる便座にシャワーノズルがセットになったものです。
TOTO株式会社の「ウォシュレット」が有名なため、ウォシュレットの名称で覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
温水洗浄便座は、給水ホースの劣化や内部ユニットの破損、電池切れ、故障などが原因で水漏れが発生します。
トイレタンクの不具合と混同されがちですが、トイレタンクは関係ない水漏れです。
関連記事ウォシュレットから水漏れしたら。応急処置ととるべき行動を確認!
取り付け不備
新築やトイレのリフォーム後にすぐ水漏れが起こる場合は、取り付け不備が疑われます。
ナットの締め付け不足や部品の設置位置ずれなど、施工ミスによって早期に不具合が出ることがあるのです。
特に、ご自分で設置した場合に起こりやすいため、注意が必要です。
業者に依頼して取り付けている場合は、早急に施工を担当した業者に連絡し、取り付け直してもらいましょう。
自分でできる?応急処置と9つの修理方法
トイレタンクの水漏れは、軽度なものであればご家庭でも対応できるケースがあります。
しかし、どの部品でもご自分で修理できるわけではなく、難易度やリスクが高いものもあります。
また、部品によってはホームセンターですぐに購入できるものから、メーカー品を型番指定で取り寄せる必要があるものまでさまざまです。
部品を購入の際は既存部品やトイレ本体の型番を確認したり、既存部品を販売店に持ち込んだりして、新しい部品を探すようにしてください。
ここでは、緊急時の応急処置と、9つの修理方法についてご紹介します。
部品交換は、「作業用手袋や軍手」「ドライバー」「レンチやウォーターポンププライヤー」を準備してから取りかかってください。
応急処置┃止水栓を閉めて水を止める
水漏れが発生した場合、最初に行うべきなのは止水です。
止水栓はトイレの横や床近くに設置されていることが多く、マイナスドライバーで回して閉められます。
止水栓は時計回りに回すと水が止まり、反時計回りに回すと水が出ます。
止水の際は時計回りに回しましょう。
水を止めたら、トイレタンク内の水を一度流して残水を空にしてください。
そして、床などの濡れている部分はタオルでしっかり拭き取り、床材や壁材への浸水を防ぐことが大切です。
また、温水洗浄便座を設置している場合は感電防止のため電源コードを必ず抜いてください。
これらの応急処置を行うことで、被害を最小限に抑えつつ、落ち着いて修理や水道修理業者への依頼を検討できます。
修理方法①フロートバルブの交換
フロートバルブは、トイレタンク底の排水口を塞ぐゴム製の部品です。
ゴムは経年劣化により硬化や変形が起こり、密閉が不十分になると便器に水が流れ続けます。
寿命は5〜10年程度で、症状としては「チョロチョロと水音がする」「水道代が上がった」といったトラブルが代表的です。
交換部品はホームセンターやインターネット通販で数百円〜千円程度で入手でき、交換の難易度も低いためご自分での修理に向いています。
ただし、メーカーごとに形状やサイズが異なるため、必ず現物を持参するか型番を確認して購入してください。
交換手順
- 止水栓を閉めてトイレタンク内の水を抜く
- 古いフロートバルブをチェーンから外す
- 新しいフロートバルブを取り付け、チェーンをレバーにつなげる
- チェーンの長さを調整し、フロートバルブがスムーズに開閉するか確認する
- 水を流して動作を確認する
修理方法②ボールタップの交換
ボールタップはトイレタンクの水位を調整する部品で、浮き球と連動して給水を制御しています。
寿命はおよそ10年で、劣化すると給水が止まらず水が溢れ続ける症状が出ます。
「シューッ」という異音やトイレタンクに常に水が流れ続けるのが特徴です。
交換部品は3,000〜5,000円程度で販売されており、ホームセンターやネットインターネット通販で購入できます。
部品が大きく取り付けも複雑なため、ご自分で交換する難易度はやや高めです。
交換手順
- 止水栓を閉めてトイレタンクの水を抜く
- 手洗い管や補助水管などを外し、給水管との接続を外す
- 古いボールタップを取り外す
- 新しいボールタップを取り付け、給水管を再接続する
- 水を流して水位が正常に止まるか確認する
【職人ワザ】自力でできる!トイレタンク修理
しが水道職人では、ボールタップの交換とフロートバルブの交換を動画でご紹介しています。
ご自分で交換される際の参考にしてみてください!
修理方法③水栓レバーのチェーン交換
水栓レバーとフロートバルブをつなぐチェーンが外れたり切れたりすると、水が流れなくなります。
チェーンは小さな部品ですが、使用頻度が高いため摩耗しやすく、寿命は5〜7年程度です。
ホームセンターやインターネット通販で100円〜数百円で入手でき、交換の難易度も低いため、初心者でも気軽に交換可能です。
交換手順
- トイレタンクのふたを外す
- 外れているチェーンを付け直す、または切れていれば新しいチェーンに交換する
- チェーンの長さを調整し、フロートバルブがしっかり閉じる位置にセットする
- レバーを動かし、正常に排水できるか確認する
修理方法④浮き球の交換
浮き球はトイレタンク内の水位を感知し、ボールタップの開閉を制御する部品です。
破損や劣化で正しく水位を感知できなくなると、給水が止まらない、または水位が低すぎて洗浄力が不足するなどの不具合が発生します。
寿命は10年前後で、交換部品はホームセンターやインターネット通販で1,000円前後で購入できます。
水位調整も必要なため、ご自分での修理の中ではやや注意を要する作業です。
交換手順
- 止水栓を閉め、トイレタンク内の水を抜く
- 古い浮き球をアームから取り外す
- 新しい浮き球を取り付ける
- 水位を調整する(水位が高すぎると水が流れ続け、低すぎると洗浄力不足になる)
- 水を流して適切な位置で止まるか確認する
修理方法⑤ダイヤフラムの交換
ダイヤフラムはボールタップ内部にある小さな弁で、給水を制御しています。
寿命は3〜5年と短く、劣化すると給水が止まらず水が流れ続けるのが特徴です。
交換用ダイヤフラムは数百円〜1,000円程度でホームセンターやインターネット通販で販売されており、サイズや型番を確認して入手する必要があります。
小さな部品ですが、取り付け方向を間違えると正しく作動しないため注意が必要です。
交換手順
- 止水栓を閉め、トイレタンクの水を抜く
- ボールタップのカバーを外す
- 劣化したダイヤフラムを取り出す
- 新しい部品を正しい方向でセットする
- カバーを元に戻す
- 水を流して動作を確認する
修理方法⑥整流ジャバラの交換
整流ジャバラは手洗い管付きのトイレタンクのふた裏にある蛇腹状の部品で、手洗い管への給水の流れを安定させる役割があります。
経年劣化でひび割れや破損が生じると、トイレタンクの下から水が滲み出して水漏れを起こします。
寿命は10年前後で、交換部品はホームセンターやインターネット通販で1,000円程度で購入可能です。
比較的単純な部品交換のため、ご自分でも取り組みやすい作業です。
交換手順
- 止水栓を閉める
- 古い整流ジャバラを取り外す
- カバー(内ぶた)の上面の汚れを拭き取る
- カバーに新しい整流ジャバラを取り付ける
- カバーとトイレタンクのふたを閉め、水を流して水漏れが止まっているか確認する
修理方法⑦オーバーフロー管の交換
オーバーフロー管はトイレタンク内の水位を一定に保つ役割を持ちます。
オーバーフロー管には「WL(ウォーターライン)」が刻まれており、WLを超えてトイレタンク内に水がたまってしまった場合、オーバーフロー管を通って便器内に排水されます。
オーバーフロー管の破損や劣化で水が止まらなくなるケースがありますが、交換にはトイレタンクの取り外しや口径の知識が必要です。
部品自体は数千円でホームセンターやインターネット通販で入手可能ですが、作業は専門的な知識を要するため、ご自分での交換には不向きです。
誤った取り付けで水漏れが悪化するリスクも高いため、水道修理業者に依頼してください。
修理方法⑧ゴムパッキンの交換
ゴムパッキンはトイレタンク内部や給水管の接続部など、トイレのあらゆる箇所で使用されています。
寿命は5〜10年で、劣化すると硬化やひび割れにより水漏れが発生します。
交換部品はホームセンターやインターネット通販で数百円から入手できますが、どのパッキンが水漏れの原因かを見極めるのは難しい場合があります。
水漏れ部位の特定ができればご自分でも交換できますが、特定ができないときは、水道修理業者に依頼した方が良いでしょう。
修理方法⑨温水洗浄便座(ウォシュレットなど)の交換
温水洗浄便座の水漏れは、給水ホースの劣化や内部ユニットの故障、電気系統の不具合などが原因です。
寿命は10年前後で、水と電気を同時に扱うため安全上のリスクが高く、ご家庭での交換は推奨されません。
交換部品や本体は家電量販店やインターネット通販で購入可能ですが、取り付けは水道修理業者に依頼してください。
トイレタンクの交換は必要?
トイレタンクの水漏れは多くの場合、部品の交換で解決できます。
しかし、トイレタンク自体にひびが入っている場合や、内部部品が全体的に寿命を迎えている場合は、トイレタンクごと交換が必要になることもあるのです。
交換の可否はトイレの種類によって異なり、費用や作業範囲も大きく変わります。
ここでは代表的な3種類のトイレについて、それぞれの特徴と交換のポイントを解説します。
組み合わせトイレ
トイレタンクと便器が分かれており、最も一般的に普及しているタイプのトイレです。
このタイプはトイレタンクのみの交換が可能で、部品交換だけでは改善できない場合でも、トイレタンクを取り替えることで修理できるケースもあるでしょう。
トイレタンクだけの交換費用は3万円〜5万円程度が目安で、トイレ一式を交換するよりも経済的です。
また、同じメーカーの同シリーズであればトイレタンクのみの互換性がある場合もあり、比較的柔軟に対応できます。
一体型トイレ
トイレタンクと便器が一体になったタイプです。
デザイン性が高く掃除もしやすいのが魅力ですが、トイレタンクだけを交換することはできません。
水漏れがトイレタンク本体で起きた場合、便器も含めた本体ごとの交換が必要です。
そのため修理費用は高額になりやすく、10万円を超えることもあります。
寿命は15〜20年程度が目安で、それを過ぎてトラブルが頻発するようなら買い替えを検討する時期といえるでしょう。
タンクレストイレ
水をためるトイレタンクを持たず、水道の水圧を利用して直接流すタイプのトイレです。
そのため「トイレタンクからの水漏れ」というトラブルは発生しません。
ただし、内部に電気制御部品を多く備えているため、電装系の故障や基盤トラブルが原因で修理や本体交換が必要になることがあります。
タンクレストイレは本体価格が高く、便器ごと交換になると費用が高額になるため、設置から10年以上経過している場合は修理と交換のコストを比較して判断した方が良いでしょう。
水道修理業者に依頼すべき水漏れのケース
トイレタンクの水漏れには、ご家庭で対応できる軽度なケースもあれば、専門的な知識や技術がなければ直せないケースもあります。
誤った方法で対処すると状況が悪化し、修理費用が増えてしまう可能性もあるため、どこまでを自分で行い、どこからを水道修理業者に依頼すべきかの線引きを知っておくことが大切です。
トイレタンクのひび割れや激しい部品の劣化
トイレタンク本体にひび割れが生じている場合、補修剤やテープで対応できるように見えても、再び水漏れが起きるのは時間の問題です。
また、長年使用して内部部品がほぼ寿命を迎えている場合は、一部の部品交換ではなくトイレタンクやトイレ一式の交換が必要になることもあります。
このようなケースでは自分での修理は難しく、水道修理業者に依頼して確実に交換作業を行うことが最善です。
ご自分で修理しても改善しない
フロートバルブやボールタップなどの部品を交換しても水漏れが改善しない場合、原因が目に見えない場所に潜んでいる可能性があります。
配管の奥やトイレタンク内部にトラブルがあると、見た目では分からず、何度部品を替えても改善しないことがあります。
このような場合は早めに水道修理業者に依頼し、原因を正しく特定することが重要です。
床や壁まで被害が広がっている
トイレタンク下部からの水漏れが続くと、床や壁に水が染み込み、建材が腐食する危険性があります。
この場合は、早急に水道修理業者に相談してください。
なお、給水管からの水漏れが原因の場合は、水道局指定工事店に修理を依頼する必要があります。
給水管の工事をご自分や、水道局指定工事店以外の水道修理業者が行うことは、水道法に抵触してしまうのです。
しが水道職人は滋賀県の各自治体から水道局指定工事店の指定を受けています。
給水管からの水漏れもお気軽にご相談くださいませ!
排水管が原因のとき
水漏れの原因がトイレタンクではなく排水管である場合、修理には専門的な知識と道具が必要です。
排水管の破損や接続不良はご家庭での対応がほぼ不可能であり、無理に触ると逆に水漏れの範囲を広げてしまうこともあります。
また、汚水が溢れ出し、トイレ空間そのものの工事に発展する場合もあるでしょう。
このケースでは速やかに水道修理業者に依頼して、調査と修理を任せることが不可欠です。
水道修理業者に依頼したときの概算費用と時間
水道修理業者に修理を依頼する際は、費用や作業時間の目安も確認しておきましょう。
費用の目安
部品交換は数千円から1万円程度、トイレタンク交換は数万円に及ぶこともあります。
水道修理業者が現場に到着し、現場の点検後に見積書を発行するため、内容をしっかりと確認しましょう。
また、相見積もりを取得することで廃棄に係る費用など、追加費用が発生することを予防できます。
しが水道職人では、お見積もりの発行もお見積もり後のキャンセルも無料です!
料金についての詳細はサービスページをご確認ください。
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修理時間の目安
トイレタンクの修理にかかる時間は、故障の内容や作業範囲によって大きく変わります。
修理時間の目安
- 軽度な部品交換:30分程度
- トイレタンクや複数の部品を交換:1~2時間程度
- トイレ一式の交換や配管の不具合を伴う場合:半日以上
軽度な作業として代表的なのはフロートバルブやゴムパッキンの交換で、トイレタンクのふたを外して部品を入れ替え、水を流して動作を確認するだけで完了するため比較的短時間で終わります。
一方で、ボールタップや浮き球、ダイヤフラムなどトイレタンク内部の主要部品を複数交換する場合は、取り外しや調整の時間も発生するため1時間以上見込まれることがあるでしょう。
トイレタンクそのものを交換する場合は、給水管や密結パッキンの取り付け、固定具の調整など複数の工程を伴うため、2時間以上要することもあります。
さらに、一体型トイレやタンクレストイレを本体ごと交換する場合は、古い便器の撤去、新しい便器の設置、床や壁の接続部の確認作業まで含めるため3時間以上かかることもあります。
特に古い住宅や狭いトイレ空間では作業効率が下がり、さらに時間が延びるケースもあるでしょう。
また、修理中に想定外の配管不具合が見つかれば、部分的な補修や追加工事が必要になり、半日以上かかることもあります。
このように修理時間は、「どの部品を交換するのか」「トイレの構造」「作業環境が整っているか」によって大きく左右されます。
修理を依頼する際には、事前に水道修理業者へ大まかな作業時間を確認しておくことで、当日の生活スケジュールが立てやすくなり安心です。
水漏れ予防のためのメンテナンス
トイレタンクの水漏れは、発生してから修理するよりも、日頃からの点検と部品交換で未然に防ぐことが大切です。
簡単な点検の習慣や部品の寿命を理解しておくだけでも、急なトラブルを大幅に減らせます。
定期的にトイレタンク内部の点検をする
トイレタンクの内部は普段目にすることが少ないため、異常に気が付きにくい場所です。
半年に一度程度はトイレタンクのふたを開け、水位が正常か、部品がスムーズに動いているかを確認しましょう。
フロートバルブのチェーンが絡まっていないかや、浮き球がちゃんと上がっているかなどもチェックポイントです。
トイレタンク内部の異常を早期発見することにより、大きな修理に発展することを防げます。
パッキンや消耗部品を定期的に交換
トイレタンクに使われている部品の多くは消耗品であり、経年劣化を避けることはできません。
寿命を迎えた部品を放置すると、水漏れや動作不良が発生しやすくなります。
特にゴムや樹脂部品は硬化やひび割れが進みやすいため、定期的な交換が水漏れの予防策として重要です。
交換のタイミングを見極めるために、各部品の寿命の目安を知っておくと安心できるでしょう。
主な寿命の目安
- ボールタップ:約10年
- フロートバルブ:約5〜10年
- オーバーフロー管:約10〜15年
- ダイヤフラム:約3〜5年
- 整流ジャバラ:約10年
- 給水管:約15〜20年(素材や使用環境によって変動)
- 水栓レバー:約10年
- 密結パッキン:約5〜10年
- 温水洗浄便座:約10年前後(電気系統の寿命を含む)
これらはあくまで目安であり、水質や使用頻度によって前後します。
点検の際に「ゴムが硬化している」「部品にひびがある」「異音がする」などのサインを見逃さず、早めの交換を心がけることで、水漏れに発展することを防げます。
トイレまわり全体の点検を習慣化
トイレタンク内部だけではなく、トイレまわり全体を定期的に観察することも大切です。
床が湿っていないかや便器の根元に水がたまっていないか、壁にシミがないかなど、外観のチェックも欠かさないようにしましょう。
小さな異常に気が付いたときに早めに対処すれば、被害を最小限に食い止められます。
トイレの使用時に「いつもと違う音がする」「水の流れが弱い」などのサインを感じ取ったら、点検や水道修理業者への相談をご検討ください。
トイレタンクの水漏れは早めの対処で安心
トイレタンクの水漏れは、「少しの水漏れだから」と放置してしまうと、水道代の増加や建材の腐食といった二次的な被害につながります。
水漏れの中にはご自分で対応できる軽度な症状もありますが、修理に知識が必要な症状や被害が拡大している場合は、無理をせず水道修理業者に依頼することが早期解決への近道です。
しが水道職人では、見積もりから修理、アフターサポートまで一貫して対応し、ご家庭の水まわりを快適に保つお手伝いをしています。
「水が止まらない」「トイレタンクから水が漏れている」といった異変に気が付いたら、お気軽にご相談くださいませ!