水のコラム

紫陽花の色は水で変わる?~水の性質と土壌環境が織りなす梅雨の魔法~【水道職人:公式】

2025年05月14日  その他


梅雨時期になると、日本のあちこちで目にするようになる紫陽花(あじさい)の花。
しっとりと雨に濡れる姿は、どこか幻想的で心に残る風景をつくり出してくれます。
 
そんな紫陽花の特徴としてよく知られているのが、「花色がさまざまに変化すること」ではないでしょうか。
一株の中に複数の色の花が咲くこともあれば、年ごとに色が変わることもあり、多くの方々を惹きつけています。
 
この不思議な色の変化は、「水」や「土」の性質と深く関係していることをご存じでしょうか?
 
今回は、水のpH(ピーエイチ/ペーハー)や土壌環境によって紫陽花の花色がどのように変化するのかや、紫陽花と水まわりの関係についてご紹介します。
 

紫陽花の花色(はないろ)が変わる仕組みとは?


最初に押さえておきたいのは、紫陽花の「花びら」に見える部分は、じつは「がく片」という葉が変化したものだという点です。
このがく片には、「アントシアニン」という色素が含まれており、この色素が酸性・アルカリ性などのpH環境によって異なる色合いを見せるという性質を持っています。
 
アントシアニンは、ブルーベリーや赤キャベツなどにも含まれている植物性色素で、pHに反応して「赤~青」までの彩りをみせる特徴があります。
まさに「自然のリトマス紙」とも言える存在です。
 

酸性の土壌では青?アルカリ性では赤?


それでは、紫陽花の色は具体的にどのように変わるのでしょうか。
 
【一般的な紫陽花の色の変化】

  • 酸性の土壌(水が酸性)→青系の花色(青、紫など)
  • アルカリ性の土壌(水がアルカリ性)→赤系の花色(ピンク、赤紫など)

 
つまり、同じ紫陽花でも、育つ環境によって花色が全く異なるという結果になるのです。
この色の変化に影響を与える大きな要素のひとつが、土壌に含まれるアルミニウムイオンの存在です。
 
酸性の土壌では、アルミニウムイオンが水に溶けやすく、紫陽花の根から吸収されやすくなります。
これがアントシアニンと結びついて青系の色素を形成するのです。
 
一方、アルカリ性の土壌ではアルミニウムが土壌中(どじょうちゅう)に固定されて吸収されにくくなるため、アントシアニンは赤系の色味を出すのです。
 

水のpHと地域差:日本の水はどうなの?


水道水や井戸水には地域差があり、pH(酸性・中性・アルカリ性の指標)も微妙に異なります。
 
たとえば、山間部では雨水が流れ込むことで酸性に傾いていることがあり、都市部では中性~弱アルカリ性に保たれていることが多い傾向があります。
 
紫陽花が育つ環境で水がどれほど酸性に傾いているか、アルカリ性に傾いているかということは、そのまま土壌のpHにも影響を与えます。
とくに、梅雨時期のように水分量が多くなる時期には、雨水のpHがそのまま植物に及ぼす影響も無視できません。
 
なお、日本の水道水は基本的に中性に近いように調整されています。
ただし、地域によっては井戸水や湧水が多く利用されているところもあるため、そうした場所では紫陽花の花色にも独特の傾向が見られることがあります。
 

土壌改良で花色をコントロール?ご家庭でできる工夫


ガーデニング愛好者の間では、紫陽花の色をコントロールする楽しみも人気のひとつです。
ご家庭でも、土壌改良を行うことで、ある程度意図的に花色を変えられます。
 

  • 青い花にしたい場合

硫酸アルミニウムを少量まいて土壌を酸性にすることで、花色を青にできます。
ピートモス(酸性の土壌改良材)を活用しましょう。
 

  • 赤い花にしたい場合

苦土石灰(くどせっかい)をまいて土壌をアルカリ性に傾けることで、花色を赤にできます。
またはリン酸肥料を与えてアルミニウムの吸収を抑える方法などがあります。
 
ただし、過度の改良は根を傷める可能性があるため注意が必要です。
また、品種によってはpHに反応しない「白花(しろばな)品種」もあるため、すべての紫陽花が色変化するわけではないという点も押さえておきましょう。
 
関連記事:梅雨を彩る花・紫陽花の育て方 ~初心者でも楽しめるガーデニングの基本~【水道職人:公式】
 

紫陽花と水の繊細な関係が水まわりを見直すヒントに!?


水は、見た目にはただの無色透明な液体です。
人間の目にはいつもと同じ無色透明の水に見えた場合でも、変化が起こっている可能性があります。
この変化を、私たち人間は敏感に感じ取ることが難しいでしょう。
 
しかし、紫陽花のような植物は、その水に含まれるミネラル分や酸性度を敏感に感じ取り、花色や成長にまで影響を及ぼしています。
 
たとえば、井戸水を使用しているご家庭では、紫陽花の花色の変化から水質の傾向が読み取れることがあるかもしれません。
最近あじさいが青っぽくなったなと思った場合には、それは水の性質が酸性に傾いているサインの可能性があるでしょう。
逆に、ピンク系の花が多いなら、アルカリ性に傾いている可能性があります。
 
紫陽花は、私たちの暮らしのすぐそばにある「水の変化」を教えてくれる、まさに自然のセンサーなのです。
 

梅雨時期だからこそ水のあり方を見直そう


ジメジメとした梅雨の時期は、どうしても気分が沈みがちになります。
そんなとき、ふと目にした紫陽花が美しく色づいているのを見ると、心が癒されますよね。
 
紫陽花は梅雨だけ楽しめる花で、その鮮やかな色合いは目に美しく、私たちの心を彩ります。
そんな華やかな紫陽花の裏には、見えないけれど確かに存在する水の性質が関わっていると知ると、紫陽花の見方も少し変わってくるのではないでしょうか。
 
こうした自然の変化に敏感になることは、日々の水まわり管理にもつながっています。
水はただのインフラではなく、私たちの暮らしと自然を結ぶ大切な資源です。
紫陽花の色の変化から学べることは、意外に多いと言えるでしょう。
 
ご自宅の紫陽花の花色がいつもと違うと感じた場合には、ご自宅で使用している水に変化が起きているかもしれません。
このような場合には、しが水道職人にお気軽にご相談くださいませ。

しが水道職人(滋賀水道職人) 0120-492-315

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