水のコラム
洗面所の水漏れ原因と自分でできる修理方法!水道修理業者に依頼する判断ポイントも
洗面所で水漏れに気付いたとき、多くの方がまず抱くのは「一体どこから漏れているのか」という疑問です。
さらに、「自分で修理できるのか」「水道修理業者を呼ぶしかないのか」と不安になるのではないでしょうか。
水漏れは放置しても自然に直ることはなく、むしろ床材の腐食やカビの発生など被害を広げる原因になってしまうのです。
しかし正しい知識を持っていれば、応急処置や簡単な修理はご自分で対応できる場合もあります。
今回は、洗面所の水漏れ原因や修理方法、水道修理業者に依頼する際の判断基準についてご紹介します。
洗面所で起こりやすい水漏れの主な原因
洗面所は水を扱う場所のため、さまざまな部位が水漏れのリスクを抱えていますが、特に多いのは以下のような部位です。
蛇口(水栓)の劣化
蛇口は毎日使用するため消耗が早い設備の一つです。
そのため、内部のパッキンが硬化して水を止めきれなくなったり、シングルレバー式混合栓のカートリッジが摩耗して水量調整が効かなくなったりすることがよくあります。
こうした場合、放置すれば水漏れで水道代が高騰するだけではなく、洗面台周辺にカビや水垢を発生させる原因にもなってしまうのです。
2025年8月にご訪問した滋賀県米原市の現場では、シングルレバー式混合栓のカートリッジのパッキン部分が経年劣化で溶けたことにより、水漏れが発生していました。
排水トラップの不具合や排水ホースの接続不良
洗面台の下には、悪臭や害虫を予防するための封水をためる機能を持つ排水トラップや、排水トラップから排水管までの間をつなぐ排水ホースが設置されています。
排水トラップや排水ホースのナットが緩んでいたり、パッキンが劣化していたりすると、つなぎ目からじわじわ水が漏れることがあります
また、排水ホースが奥まで差し込まれていなかったり、接続部分が緩んでいたりすると、水が接続部分から漏れてしまうこともあるのです。
洗面所を掃除する際に手がぶつかったり、洗面台の下のキャビネットに収納している物がぶつかってホースがずれてしまったりすることも多いため、定期的な確認が大切です。
2024年8月にご訪問した滋賀県長浜市の現場では、排水トラップが経年劣化により変色していました。
まだ水漏れに発展していませんでしたが、放置すれば水漏れに発展する可能性が高いため交換となりました。
このように、排水トラップの劣化は変色という形で現れることもあります。
ご自宅の洗面所の排水トラップが変色している場合、排水トラップが水漏れの原因の可能性が考えられます。
給水管・給湯管や止水栓の劣化
蛇口につながる給水管・給湯管や止水栓は普段目にしにくいため、劣化が進んでいても気付きにくい部分です。
しかし、サビや腐食で金属が弱くなると、配管・ナットの周辺から水がにじみ出たり、配管にピンホールと呼ばれる小さな穴が空いたりして、水漏れが発生します。
古い戸建て住宅や築年数の経った集合住宅では特に注意が必要です。
2025年4月にご訪問した滋賀県大津市の現場では、屋外に設置している洗面台の給水管から水漏れしていました。
被害状況は酷く、洗面台付近の木材が腐敗している状態でした。
このように、水漏れは発見が遅れたり放置したりすると、家屋に使用している木材に影響を与えてしまうこともあるのです。
給水管・給湯管や止水栓が原因による水漏れは漏れ出る水量が多いため、被害状況が大きくなる傾向があります。
シャワーホースや水受けタンクからの漏れ
シャワー付き洗面台は便利ですが、シャワーホース部分のパッキンなどのゴムが劣化すると小さな亀裂から水漏れします。
また、水受けタンクに水がたまり、水受けタンクから水が溢れて水漏れするケースもあるでしょう。
水受けタンクとは、シャワーホースを伝って水がキャビネット内に垂れてしまうことを防ぐ役割を持った部品です。
シャワースタンドの開口部分から入り込んだ水は、シャワーホースを伝って水受けタンクの中に落ちていきます。
少量の水は自然乾燥で乾くため溢れるほどたまりませんが、掃除の際などにシャワースタンドの開口部分に水を意図的にかけると、水受けタンクから水が溢れてしまうことがあるのです。
シャワースタンドの開口部分に水をかけていないのに水受けタンクに水がたまっている場合は、シャワーホースの接続部分に破損が生じている可能性があるでしょう。
2025年5月にご訪問した滋賀県彦根市の現場では、シャワーヘッドとシャワーホースの劣化により水漏れが発生し、洗面台の下に漏れ出していました。
シャワーまわりの水漏れは、洗面台の下で発生するケースがほとんどです。
排水管と床の間
床に直接つながっている排水管の周囲は、水漏れすると床下へ水が回り込みやすい部分です。
この部分での水漏れはシロアリの発生や階下漏水につながる危険もあり、早めの対処が欠かせません。
水漏れは給水管・給湯管と同様にサビや腐食で金属が弱くなったり、経年劣化でピンホールが空いたりすることが原因で発生します。
ただし排水管の場合、洗剤や髪の毛など水道水以外の物も通るため、給水管・給湯管よりも劣化が早く、排水口のつまり対策で使用した薬剤などの影響で劣化してしまうケースもあります。
2023年9月にご訪問した滋賀県甲賀市の現場では、経年劣化により、排水管と蛇口が破損して水漏れしていました。
排水管の寿命は約20~30年*、蛇口の寿命は約10年と言われていますが、蛇口を丁寧に取り扱われているご家庭は多く、10年以上使用されているケースも少なくはありません。
このような場合同時に破損ということは十分にあり得るので、洗面所の他の部分に破損が生じた場合は、排水管の破損も念のため点検しておくことをおすすめします。
*排水管の寿命は材質により大きく異なり、銅などの金属でできた物の寿命は約50年とも言われています。
洗面所の水漏れの原因が他にあるケースも
洗面所で起こっている水漏れが、必ずしも洗面台本体が原因とは限りません。
その他の可能性①階下漏水
集合住宅で洗面所の天井から水漏れが発生した場合、原因は上階の部屋かもしれません。
ご自分でどうにかできる問題ではないため、管理会社や大家に連絡して確認を進める必要があります。
その他の原因②洗濯機の排水設備からの水漏れ
洗面所に洗濯機を設置しているご家庭では、洗濯機の排水ホースや排水口からの水漏れを洗面台の水漏れと勘違いするケースもあります。
水の出どころをしっかり確認しましょう。
関連記事洗濯機の排水口や排水ホースで水漏れが起きた時の対処法と予防法
その他の原因③電化製品からの水漏れ
加湿器や浄水器など、洗面所に設置している電化製品が原因で水が床に広がっている場合もあります。
洗面所の水漏れ=洗面台の設備不良と決めつけず、周辺の電化製品も確認してください。
水漏れに気付いたときの応急処置
水漏れに気付いたら、慌てずに被害を最小限に抑える行動を取ることが大切です。
応急処置を行うことで、被害の広がり方が大きく変わります。
応急処置①止水栓を閉める
まずは洗面所の止水栓を閉めて水の流れを止めてください。
これにより被害の拡大を防げます。
止水栓は洗面台のキャビネットの中に設置されており、多くの場合ハンドル型の手で回せるタイプの物が取り付けられています。
ただし、マイナスドライバーで回すタイプの止水栓が取り付けられているケースもあるため、ハンドルが付いていない物は形状に合わせた道具を準備してください。
止水栓は時計回りに回すと給水を止められるため、しっかり閉めましょう。
もし止水栓が固着していて回せない場合や、止水栓を閉めても水漏れが治まらない場合は、水道の元栓を閉めて建物全体の給水を止めましょう。
応急処置②濡れている場所を拭く
床やキャビネットの内部が濡れている場合は、タオル・雑巾などを使用して水分を拭き取ってください。
放置すると床材が変形したり、カビが繁殖したりする原因となります。
また、濡れたままの状態で電化製品が接触すると感電リスクがあるため、コンセントを抜き、電化製品を他の場所に移動して周囲の安全確認も図りましょう。
応急処置③水漏れ箇所の特定
水漏れに気付いたときは、どこから水が出ているのかを特定することが非常に重要です。
原因を正しく突き止めないと、誤った対応をしてしまい、状況を悪化させる可能性があるためです。
【水漏れ箇所の特定方法】
- 洗面所全体の目視確認
- 蛇口の確認
- 排水トラップ・排水ホースの確認
- 給水管・給湯管や止水栓の確認
- 水漏れ確認をするときの注意点
蛇口全体の目視確認
まず、洗面所全体を目視で観察し、床やキャビネット内部で濡れている場所を探します。
水滴が落ちている箇所や湿っている部分を発見した場合、タオルで軽く押さえると、どこから水が広がっているかが分かりやすくなります。
蛇口の確認
次に、蛇口を開閉して水を流しながら蛇口まわりを確認してください。
蛇口の根元やレバー部分、吐水口からの滴下(てきか)などを観察し、使用中に漏れているのか、使用後も止まらず漏れ続けているのかを区別します。
この違いは「パッキンの劣化」なのか「カートリッジの不具合」なのかを判断する重要な手掛かりになります。
排水トラップ・排水ホースの確認
さらに、キャビネットの扉を開けて排水トラップや排水ホースを目視で確認しましょう。
ナットの周辺に水滴が付いていないかや、ホースの差し込み口が緩んでいないかを点検します。
新聞紙やキッチンペーパーをキャビネットの床部分に敷き、少量の水を排水すると、どこで濡れ始めるかが分かりやすくなるためおすすめです。
給水管・給湯管や止水栓の確認
また、給水管・給湯管や止水栓周辺にも注目しましょう。
ナットが緩んでいると水滴がじわじわとにじみ出ることがあります。
この場合は使用中でなくても常時濡れているのが特徴です。
水漏れ確認をするときの注意点
洗面所で水漏れしている箇所を特定する場合、見えない床下や壁内で水が回っているケースに注意が必要です。
表面に濡れた箇所が見つからない場合でも、床や壁に水染みが出ていたり、キャビネット内部からカビ臭がしたりする場合は、隠れた部分で漏れている可能性があります。
床下や壁内での水漏れはご自分で発見することが難しいため、異常を感じたら早めに水道修理業者に相談することをご検討ください。
関連記事水道(蛇口)から水漏れ!行うべき応急処置から対処法までを解説
洗面所の水漏れを自分で修理する方法
洗面所の水漏れには、ご自分で修理できるケースと水道修理業者に任せるべきケースがあります。
ここでは、比較的軽度な水漏れでご自分で対応できる修理方法を具体的な手順とともにご紹介します。
なお、作業を始める前に、必ず止水栓を閉め、タオルやバケツを準備してから行ってください。
パッキンの交換
蛇口内部のパッキンはゴム製で、長年の使用で硬化や摩耗が起きやすい部品です。
蛇口の水が止まらない、根元からにじむといった症状がある場合は、交換で改善することが多くあります。
【交換手順】
- 止水栓を閉める
- 蛇口ハンドルを取り外す
- スピンドルやナットを外し、古いパッキンを取り出す
- 新しいパッキンを正しくはめ込む
- 逆の手順で組み立て、水を流して漏れが止まったか確認する
【プロが教える!】自分でできる蛇口修理の方法
しが水道職人では、蛇口のコマパッキン(ケレップ)の交換を動画でご紹介しています。
ご自分で交換される際の参考にしてみてください!
カートリッジの交換
シングルレバー混合栓の水漏れは、カートリッジの摩耗が原因であることがほとんどです。
レバーの付け根から水が漏れるときはカートリッジを交換してみてください。
【交換手順】
- 止水栓を閉める
- レバーのキャップを外し、固定ネジを緩めてレバーを外す
- カバーやナットを外し、古いカートリッジを取り出す
- 新しいカートリッジを差し込み、ナットで固定する
- レバーを戻して水を流し、漏れが解消されているか確認する
ナットの締め直し
給水管・給湯管や排水管の接続部分のナットが緩むと、そこから水がにじみます。
レンチやウォーターポンププライヤーを使用して、適度に締め直すだけで改善することがあります。
なお、力の入れすぎには注意してください。
力任せに締め直すと破損する恐れがあります。
【締め直しの手順】
- 止水栓を閉める
- モンキーレンチやウォーターポンププライヤーを使用して、ナットの増し締めを意識して少しずつ締める
- 水を流して漏れが止まっているか確認する
水漏れ補修テープでの応急処置
配管に小さな穴や亀裂がある場合は、水漏れ補修テープ(自己融着テープ)で一時的に対応できます。
水漏れ補修テープには粘着剤は使用されておらず、伸ばしながら巻くことでテープの表面と裏側が接着します。
接着力が高いため一度貼り付くと剥がれないと言われていますが、流れ続ける水漏れを永続的に抑える力は持っていません。
なお、水漏れ補修テープでの補修は応急処置であり、水漏れが再開する可能性が非常に高いため、補修した後は水道修理業者に修理を依頼してください。
【補修の手順】
- 止水栓を閉めて水を止める
- 漏れている箇所をタオルなどで拭いて乾燥させる
- 水漏れ補修テープを強めに引っ張りながら重ねて巻き付ける
- 水を流して漏れがないか確認する
排水ホースの接続を確認
排水ホースが外れたり緩んでいるとキャビネット内部の床が濡れます。
【固定手順】
- 洗面台下のキャビネットの扉を開ける
- ホースが奥まで差し込まれているか確認する
- 緩んでいたら奥まで差し込み、固定バンドなどの固定部分を締め直す
- 水を流して接続部から漏れがないか確認する
シャワーヘッドやシャワーホースの交換
シャワー付き洗面台では、シャワーヘッドやシャワーホースの劣化が原因で漏れることがあります。
【交換手順】
- 止水栓を閉める
- シャワーホースの接続部分を外す
- 新しいシャワーホースやシャワーヘッドを取り付ける
- 水を流して漏れがないか確認する
排水管の掃除
排水管からの水漏れは、排水不良により発生するケースがあります。
排水不良はつまりや汚れが原因で排水管の中が狭くなり、排水が流れ切らずに逆流して起こってしまうのです。
【排水管の掃除方法】
- 使用済みのブラシやワイヤーブラシで排水管の内部を掃除する
- もしくは、市販のパイプクリーナーで排水管の中を掃除する
- 水を流し、正常に排水されるか確認する
なお、ワイヤーブラシとパイプクリーナーを併用することで、洗浄効果が高まります。
ただし、排水管の汚れがひどい場合、市販のパイプクリーナーでは汚れが落としきれず、つまりが改善しないことがあります。
その場合は、水道修理業者に依頼し、業務用のパイプクリーナーで掃除してもらうことをご検討ください。
【こんなに違う!】市販品と業務用、排水管洗浄剤の効果の違いを徹底検証!
しが水道職人では、市販品のパイプクリーナーと業務用のパイプクリーナーの洗浄力の違いを動画でご紹介しています!
修理後の確認と注意点
修理が終わったら、水を少量ずつ流して漏れが完全に止まっているかを確認します。
同時に、床やキャビネット内部が濡れていないかもチェックしてください。
一度直っても時間が経って再発する場合は、他の場所での水漏れが発生している可能性や、劣化が酷く修理では直りきらなかった可能性があります。
水漏れが直っていない場合は、早めに水道修理業者へ相談することがおすすめです。
自分で修理する際の注意点と修理に失敗しやすいケース
洗面所の水漏れをご自分で修理する場合、正しい手順で行えば改善できることも多いですが、誤った対応で悪化させてしまうリスクもあります。
ここでは注意すべきポイントと、失敗しやすいケースをご紹介します。
工具選びや作業時の注意点
修理に使用する工具は必ず適切な物を選ぶことが大切です。
モンキーレンチを使用する際にサイズが合っていないとナットをなめてしまい、締め付けや取り外しができなくなることがあります。
また、締めるための道具は複数あり、サイズや使用感がそれぞれ異なるため、見た目だけで道具を選ぶことはおすすめしません。
必ず用途を確認した上で準備してください。
なお、作業前に止水栓を閉め忘れると、水が噴き出して床やキャビネットを濡らし、大きな被害につながります。
必ず止水作業を行い、周囲にタオルやバケツを準備してから取り掛かりましょう。
【どうやって使う?】職人さんの工具あれこれを紹介!
しが水道職人では、職人が実際の現場で使用している道具を動画でご紹介しています。
道具を準備する際の参考にしてみてください!
誤った部品を準備した際に起こるトラブル
蛇口や排水トラップの部品はメーカー、型番ごとに仕様が異なります。
適合しないパッキンやカートリッジを取り付けると、すぐにまた水漏れが発生するだけではなく、部品や本体自体を破損させてしまう可能性があります。
交換する際は必ず既存部品を確認し、取扱説明書やメーカー公式情報を参考に正しい部品を用意することが必要です。
部品の情報さえ揃えば、ホームセンターやインターネット通販でも購入できます。
ただし、情報が足りない場合や必要な情報が分からない場合は、メーカーに問い合わせてから準備した方が良いでしょう。
自分で修理できない場所まで修理した際のリスク
床下や壁の中にある配管にまで手を出すと、思わぬ破損や二次被害を招くことがあります。
また、見えない部分の修理は専門的な知識と機材が必要なため、無理に作業せず水道修理業者に依頼してください。
なお、給水管などの給水設備の修理や交換といった施工を「水道局指定工事店」以外が行うことは、水道法で禁止されています。
ご自分で修理される場合も水道法が適応されるため、滋賀県の各自治体に指定を受けた、水道局指定工事店に依頼するようにしましょう。
また、ご自分で修理する内容が上記に該当するか不明な場合は、事前にお住まいの自治体や水道局指定工事店へ確認を。
水道修理業者に依頼すべき水漏れのケース
ご自分での部品交換やナットの締め直しで改善するケースはあります。
しかし、原因の特定が難しい箇所や見えない箇所、家全体に影響を及ぼす個所、再発を繰り返す水漏れは安全性と費用対効果の観点から水道修理業者への依頼が適切です。
ここからは、「なぜ水道修理業者の対応が必要なのか」や「放置すると何が起きるのか」「依頼時に何を伝えるべきか」を具体的にお伝えします。
配管の破損や損傷
配管に亀裂やピンホールが生じている場合、表面を水漏れ補修テープで巻く応急処置では圧力・温度変化に耐えられず再び水漏れが再発します。
給水管は常に圧力がかかるため、小さな損傷でも短時間で被害が拡大します。
症状としては、止水中は濡れないのに開栓すると一気に濡れる、または配管の一部にサビ膨(ふく)れや緑青(ろくしょう)が見られるなど。
これらの症状を放置すれば床材の腐食やキャビネット内部のカビ、階下漏水による賠償問題に発展します。
水道修理業者への依頼時は、漏れている「配管の材質と場所(給水・給湯・排水)」「漏れのタイミング(使用中のみか常時か)」「撮影した写真・動画」を共有すると、必要部材の準備と作業段取りが早まります。
排水管からの水漏れが疑われる場合
排水管は床下や壁内に設置されており、家庭用工具での壁・床の分解は難易度が高い領域です。
また、壁の中にはLANケーブルなどの配線が設置されていることもあり、ご自分で壁を壊すと壁内配線を断線してしまう恐れがあります。
排水管からの水漏れは、封水切れや排水トラップの不具合だけではなく、勾配不良・継手の劣化・ヘアークラック(0.3㎜以下のひび割れ)など、さまざまな原因で発生します。
何が理由で水漏れしているかをご自分で判断することは難しく、専門的な知識を持った水道修理業者による原因の特定が必要です。
症状としては、使用後しばらくして床や壁に水染みが出る、カビ臭・下水臭がキャビネット内に滞留する、上からは濡れていないのに床が冷たく湿るなど。
放置すると石膏(せっこう)ボードの崩れや断熱材の損傷、階下漏水が進行します。
依頼時は「どの設備を使用すると症状が出るか」や、「症状が出始めた時期」「臭気の有無」「染みの広がり方」を伝えてください。
水漏れ原因を特定するための調査手順の参考になります。
繰り返す水漏れ
パッキンの交換で一時的に水漏れが止まっても、交換したパッキン以外の部品の摩耗や、蛇口本体の劣化が残っていると再発します。
繰り返す水漏れは根本原因の取り違えを示すサインです。
再発を放置すると、周辺部材の腐食進行やカビ胞子の増殖が加速します。
そのため、蛇口の本体交換や摩耗している部品を全て交換するなどの対処が必要です。
依頼時は「これまでにご自分で行った修理の内容」や「交換した部品の型番」「再発までの期間」を共有すると、水道修理業者からのより最善な提案につながります。
自分で修理しても直らない水漏れ
ご自分で修理しても改善しない場合、特定した原因が誤っている可能性があります。
目に見えている水漏れは結果でしかなく、漏れている箇所が原因とは限りません。
他の部分の内部亀裂が真因というケースもあるのです。
無理なナットの締め直しや必要がない部分の部品交換は、ネジ山の潰れ・破損していない箇所への損傷を招き、修理費を押し上げます。
水漏れが直っていないと感じたら、早期に水道修理業者への依頼に切り替え、被害の拡大を止める判断が重要です。
水道修理業者への依頼時は、「ご自分で修理したけど直らなかった」ことや、「どの部分を修理して直らなかったのか」を伝えることで、原因特定調査の参考になります。
水道修理業者に依頼する際のポイント
高額請求などの不安を抱えることなく安心して任せるために、水道修理業者に依頼する際のポイントを押さえておきましょう。
水道局指定工事店かの確認
「水道局指定工事店(指定給水装置工事事業者)」とは、法令順守・技術・安全体制の一定基準を満たす事業者であることの客観的な指標です。
自社で勝手に名乗ることはできず、滋賀県の各自治体から指定を受ける必要があります。
水道局指定工事店ではない場合、給水管などの給水装置工事の資格要件を満たさずに施工してしまうリスクがあります。
給水管などの給水装置の修理や交換、設置などの工事は、本来水道局指定工事店しか行えず、それ以外の水道修理業者やご自分で行うことは、水道法で一部の例外を除いて禁止されているのです。
確認ポイントは、自治体名+指定番号の提示、保有資格(給水装置工事主任技術者など)、賠償責任保険の加入有無。
これらが揃えば、施工品質と事故時のリスクヘッジが担保されます。
しが水道職人は、滋賀県の各自治体から水道局指定工事店の指定を受けています!
給水管などの給水装置の施工も行えるため、お気軽にご相談くださいませ。
関連記事信頼できる水道修理業者の選び方
概算費用の確認
依頼する前に必ず見積書を発行してもらい、概算費用を確認するようにしましょう。
見積書では、出張費・作業費・部材費・廃材処分費・夜間休日割増・駐車料金の扱いなど細かい部分の内訳まで確認してください。
水まわりの修理は多くの場合、現場を確認しないと詳細な費用の算出ができません。
電話口での確認と現場確認をした結果の費用算出では異なるケースも多いため、現地見積りの書面化の依頼と、追加費用の発生条件を確認しておきましょう。
相見積りを取る際は、同一前提(同じ交換範囲・同じ部材グレード)で比較しないと価格だけが独り歩きします。
また、保証期間の有無も重要な比較軸です。
作業時間の目安の確認
作業時間は症状×施工範囲×部材手配の有無で大きく変動します。
たとえばパッキン交換は短時間(30分~1時間程度)ですが、床下配管の継手打ち直しや器具本体交換+開口補修は半日〜1日必要になることも。
事前に「到着時間帯」「作業時間の目安」「断水時間」「洗面所の使用不可期間」を確認しておくことで、生活への影響を抑えられます。
部材取り寄せが必要な場合、暫定処置(止水・受け皿設置など)も相談しておくと安心です。
賃貸物件の場合は管理会社や大家に連絡
賃貸物件は原因と責任区分(専有部/共用部)で費用負担が変わります。
勝手にご自分で修理したり水道修理業者を手配すると、原状回復費用のトラブルになりがちです。
洗面所の水漏れに気が付いたときは、まず管理会社や大家へ連絡し、指定業者の有無、立会い要否、写真提出、夜間対応の可否を確認しましょう。
なお、被害拡大防止の観点から、止水などの応急処置だけは直ちに実施して問題ありません。
ただし、止水についても管理会社や大家から指示がある可能性があるため、念のため応急処置を行ってよいかも確認してください。
水漏れを予防するためのメンテナンス方法
水漏れは被害拡大を防ぐための予防も大切です。
負担なく継続できるルーティンで日常的にメンテナンスしておきましょう。
定期的な点検と点検のポイント
毎月1回のミニ点検を習慣化しておくことで、負担なく点検できます。
【ミニ点検のポイント】
- 蛇口根元のにじみ確認
- 止水栓・継手の結露と錆色の跡の確認
- キャビネット底板の波打ちや黒点の確認
- 排水トラップのナットゆるみの確認 など
ミニ点検のコツは光と紙です。
懐中電灯で斜めから照らし、キッチンペーパーでなぞって湿りを見つけると、水漏れの初期サインを逃しにくくなります。
また、気付いた微小なにじみは日付と写真で記録して、変化を追えるようにするのもGOOD◎
掃除と換気
排水のつまりは水漏れの前触れです。
月1回の排水口掃除(ヘアキャッチャー洗浄、排水管の掃除)を行い、石けんカスや皮脂をためないようにしましょう。
また、キャビネット内部は季節の変わり目に収納物を全て出し、アルコールで拭いた後に、半日扉を開放して湿気をリセット。
劣化を早期発見するためのコツ
蛇口ハンドルの操作音の変化(キュルキュル音、ガリつき)や、レバーの戻りの鈍さ、水ハネの増加は内部摩耗のサインです。
また、水道料金の微増は小さな水漏れのヒントになります。
疑わしいときは蛇口を使用しなくなる夜間などに、水道メーターのパイロットを確認しましょう。
水道を使用していないのにパイロットが回っていれば、どこかで水漏れしている可能性があります。
詳細な場所を特定するには、器具ごとに止水栓を閉め都度パイロットが動いていないかを確認してください。
配管を長持ちさせるテクニック
排水管を掃除するときは、強力な薬剤の常用は避け、ぬるま湯+中性洗剤+ブラシで掃除しましょう。
また、キャビネット内では配管保護のクッション材を当て、排水管に振動や衝撃を与えない工夫も。
さらに、長期不在時は水漏れ予防のために止水栓を閉めておくのも効果的です。
ただし、断水後に勢いよく水を使用すると、給水管内にたまった空気の放出により蛇口が破損する恐れがあるため、ゆっくり水を流して空気抜きしてから使用しましょう。
安心して洗面所を使用するための秘訣
ここでは洗面所を安心して使用し続けるための秘訣をご紹介します。
水漏れ予防のためのメンテナンスを意識付ける
カレンダーやスマホで毎月の点検リマインドを設定したり、ご家族で点検シートを共有したりしましょう。
また、写真記録は同じ構図で定点撮影し、微妙な変化に気付けるようにしておきましょう。
大掃除や衣替えといった季節イベントに合わせた排水掃除も継続しやすさのコツです。
水漏れは放置せず早めの修理対応
水漏れを発見した際の三段階ルールを事前に決めておくことで、万が一の水漏れの際も焦らずに対応できます。
【三段階ルールの例】
- にじみ発見→止水・乾拭き
- 24時間様子見→再発なら軽修理
- 再発×別症状併発→水道修理業者に相談
水漏れは早期に対応することで被害拡大を防ぎ、カビの発生や修理費高騰の予防につながります。
水道修理業者に適切に依頼する
水漏れの規模が大きいときや、繰り返す水漏れ、水漏れ箇所が特定できずにご自分で修理ができないときなどは、水道修理業者に修理を依頼しましょう。
しが水道職人は、水道局指定工事店として水道法に基づく施工と、再発抑制を意識した原因からの是正をご提案しております!
また、緊急の止水や応急措置から恒久(こうきゅう)修繕まで、状況に応じて最適な対応を行います!
洗面所からの水漏れでお困りの際は、しが水道職人にお気軽にご相談くださいませ。
洗面所の水漏れは早めに対応することで未来の安心へ
水漏れ対応で最も重要なことは、発見からの初動スピードです。
日常の点検で水漏れの初期サインを拾い、水漏れが軽微な内に手を打てば、床下や壁内の二次被害、階下漏水を高確率で防げます。
ご自分で修理できる範囲は修理し、判断が難しい・再発する・見えない所に及ぶなど、ご自分で対処できない場合は迷わず水まわりのプロと二人三脚に。
今日の一手が、明日の安心を作ります。