水のコラム
ヒートショックの危険性┃起こりやすい状況と予防策【水道職人：公式】
冬になると「ヒートショック」という言葉を目にする機会が増えると思います。
このヒートショックという単語は知っていても、どのような状態かや、どんなリスクがあるかについてはご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ヒートショックは命に関わる重篤な症状になるケースもある、非常に危険な症状です。
なぜ起こるのか、どのように予防すれば良いかを知っておくことが重要だと言えるでしょう。
今回は、冬場の怖い症状である、ヒートショックについてご紹介します。
ヒートショックはなぜ危険なの？
ヒートショックとは、血圧が急激に上がったり下がったりすることで起こる現象のことです。
そして、急激な血圧の変動は、温度変化で起こると言われています。
寒い場所から暖かいお風呂場に行ったときや、暖かな部屋から寒いトイレに行ったとき、血圧は急激に変動してしまうのです。
その結果、失神や不整脈といった症状を発症します。
さらに、脳卒中や心筋梗塞（しんきんこうそく）という重篤な症状に発展することがあり、死に至るケースもあるのです。
脳卒中はヒートショックで血圧が急激に変動したことにより、脳に負担がかかって発症すると考えられています。
脳卒中とは脳の血管がつまっている状態のことで、こうなると脳は酸素や栄養を受け取れなくなるのです。
また、心筋梗塞も同様に、ヒートショックで心臓に負担がかかることで発症すると考えられています。
心筋梗塞とは、心臓の筋肉（心筋）に酸素や栄養が行き渡っていない状態のことで、こうなると心臓は壊死（えし）してしまうのです。
ヒートショックの危険が謳われる原因には、脳卒中や心筋梗塞を発症する恐れがあるためです。
仮にどちらも発症しない場合でも、お風呂場で失神すれば顔面から転倒するかもしれず、大変危険です。
湯船に浸かっているときに失神すれば、溺れて溺死する可能性もあります。
ヒートショックが起こり得る状況
ニュースを見ていると、ヒートショックはお風呂さえ気を付けていれば良いと考えるかもしれません。
しかし、それは誤りです。
ヒートショックは、家中のどこでも発生リスクがある症状なのです。
お風呂場だけではなく、トイレや玄関、暖房器具を使っていない部屋、窓際など、温度変化がある場所ではどこでも起こり得ます。
水まわりは温度が低い傾向にあるため、お風呂場以外の水まわりも気を付けましょう
また、ご自宅に倉庫や地下室がある場合にも注意が必要です。
中でも、お風呂場は暖かい部屋から寒い脱衣所へ移動することで、急激な血圧変動が起きます。
その後、温かいお湯に浸かり、ここでまた急激な血圧変動が起こるため、ヒートショックのリスクが高まります。
なお、外から帰ってすぐにお風呂に入る場合も、冷え切った身体が温かいお湯で暖められることで急激な血圧変動が起こるでしょう。
このような場合にも、ヒートショックが起こるリスクがあります。
お風呂の場合は、湯船から上がる際にも血圧変動が起こりますし、脱衣所で着替えるときにも血圧変動が起こります。
冬場のお風呂場は湯船に浸かるときだけではなく、どの動作を行う場合にも注意が必要です。
ヒートショックを予防するにはどうすれば良い？
ヒートショックを予防するためには、急激な血圧変動を起こさないために暖めておくことが重要です。
脱衣所やトイレ、使っていない部屋などは、使う前にミニファンヒーターなどで暖めてください。
また、コートやジャケットといった外用の防寒具を着用してから、部屋を移動することも効果的です。
入浴の際は、お湯の温度を41℃位に留め、入浴時間は10分程度とし、お風呂に入る前にはしっかりと水分摂取してください。
お風呂場に持ち込みが可能な場合、持ち込むこともご検討ください。
なお、ヒートショックは65歳以上で発生率が高まる傾向がありますが、老若男女関係なく発生リスクがあります。
そのため、同居人がいる場合には、お風呂に入る前に一声かけることも、ヒートショックによる事故の予防になるでしょう。
ヒートショックは年間で約19,000人が亡くなっている
ヒートショックの死亡率は高く、年間で約19,000人の方が亡くなっています。
これは、交通事故で亡くなる方の約2倍の死者数です。
ヒートショックを起こさないためにも、家の中だからといって油断せずに過ごしてください。
2月25日頃まで寒波の影響で気温が低下します。
寒波のときは急激な血圧変動が起こりやすく、いつも以上にヒートショックのリスクが高まるでしょう。
暖かく過ごし、水分もしっかりと摂取し、ヒートショックの対策を講じてください。
なお、滋賀県ではヒートショックの対策について注意喚起しています。
ヒートショックが起こる危険性が高い方などの情報が掲載されているので、一度目を通してみてください。
参考：ヒートショック対策について┃滋賀県
